盂蘭盆会の翌日
盂蘭盆会の翌日は地獄の釜の蓋も開く日だと幼い頃から教えられてきた。
正月の16日と並んで、”やぶいり”をしていたそう。
”やぶいり”では、女たちが行事の馳走の残り物を持ち寄って大宴会をしていたそう。
本気で吐くまで飲んでいたらしい。
朝帰りも珍しくなかったとか。
そんな話はさておき、今年も一連の盆行事が終わった。
今年は、父方母方合わせて43人いる私のいとこのなかで一番年長の従姉の初盆だった。
1月下旬、突然倒れて急逝。
内蔵が全て悪くなっていたという。
自覚はあったのだと思うが病院嫌い。
七十代半ばの、今では早すぎる死だった。
関東に暮らしていたのだが、墓は故郷にある。
14日に納骨、15日は精霊船を流した。
幼い頃から泳いでいた海に船は流された。
初盆参りに何軒か回った。
長寿を全うした人の家の初盆は穏やかだった。
60余りで自死した人の家はしめやかな悲しい空気に包まれていた。
「寂しい盆になってしまって、・・・」と言う盆参りの常套句がそのまま返ってきた。
「本当に、寂しくなってしまって、・・・」と言う言葉が返ってきたとき、何も言えなかった。
若い日、青春時代の一時期、共に頑張って心を一つにして全国大会に行った。
その思い出は一生忘れない。
自死を選ばざるを得なかった哀しみを知ることは出来ない。
でも、その人のことは忘れない。
ツクツクボウシも鈴虫ももうすでに鳴き始めている。
暑い夏ももうしばらくの辛抱だと思う。
夏は行く。
大きな台風がやってこないことを願う。
このブログへのコメントは muragonにログインするか、
SNSアカウントを使用してください。